2018年5月26日。新宿Zirco TokyoでZIZの６周年ワンマンGIGが開催された。題して「Salon de Detéster #14 6th Anniversary ZIZ-oneman gig-」。MALICE MIZERのギタリストKöziをボーカルに据え集結した５人のメンバーが、それぞれの音楽的ルーツに裏打ちされた持ち味をワガママに放出し合い５人５様の音を打ち出しながらも、Köziのボーカルを乗せることでいわばZIZ的世界観をまとめあげてきた６年。その集大成としての今回のワンマンGIGでは、まさに闇鍋ごった煮感をオモチャにして刺激し合う５人の濃密なパフォーマンスが繰り広げられた。
SE「Ö」が流れると真っ赤なライトが誘うように明滅し、否が応でも期待とテンションが上がる。メンバー登場。最後に現れたKöziがゆっくりとギターを肩にかけセンターマイクの前に立つ。掛け声と共に腕を上げた瞬間、オーディエンスたちも待ってましたとばかり一斉に腕を振り上げた。１曲目、ライヴでは久々の「RAYD5」から、ハイテンション・ナンバーの応酬。自然と体が動いてしまう。間髪を入れず昨年発表されたミニアルバム「テヅルモヅルNo.5」から「電磁男達」。疾走するビートがズシズシと攻めたてるセットリストに会場が一瞬で一体となった。
対バンライブではとかく新しい楽曲が演奏されるものだが、ワンマンGIGでは新旧楽曲が余すところなく披露されるのが嬉しい。６年の間に蓄積されてきた渾身の曲たちを次から次へと混ぜこぜにぶつけて（演奏して）くるメンバーたち。受け止めるこちら側は、ZIZの引き出しの多さを改めて気づかされる。一言でいえばカオスだ。ZIZが自分たちのサウンドを称して用いる表現の一つがこの言葉。まさに混沌。ジャンルという壁が崩壊しているが、その瓦礫の中に埋没していく感覚が気持ちイイ。
ZIZファンならおなじみのことだが、演奏とMCのギャップがスゴイのも彼らの魅力(笑)ドラムのCHARGEEEEEE…のムチャブリにより、シンセ＆ギターのYugamiがなぜか「６周年！」コールをさせられたり、長丁場のワンマンに体力が持つかを心配するKöziの自虐発言。なにしろMCがゆるい(褒めています！) そのゆるさを受け止める観客の温かい歓声。これぞワンマン。これぞ周年GIG。アットホームな雰囲気に笑顔があふれる。
YugamiとKöziのハモリが美しい「コスモスティール」「エコーフォールズ」「ダブ」。ギターのJIROとのボーカルの掛け合いが染みる「デクライン」「シルクと鉄屑」。プログレッシヴなイントロでのSugiyaの超絶技巧なベースが光るジャジーなナンバー「徴」。CHARGEEEEEE…の狂気的ドラムが腹に響く「BE POP HIGHSTYLE」「ランドリィ」。キッス、キッス、キッスの歌詞が可愛い「クリスピーキッス」など、四方八方あらゆる方向からアプローチしてくる多様な楽曲たち。
この日披露されたのは２回のアンコールを含め、全23曲。まだまだ、あの曲が聴きたかったという心の余白も残しながらの一夜。全員が曲を作れるという強み。５人が５人違った音楽的趣向を持ち、それを面白がれるメンバーの余裕。それがZIZらしさなのだと感じさせてもらったワンマンGIGだったのではないだろうか。
ZIZはこれから新しいアルバムのレコーディングに入るという。8月25日（土）には新譜のレコ発ワンマンGIGが同じZirco Tokyoで予定されている。Közi曰く「イカした５曲！」に期待したい。さらに9月8日（土）、9日（日）には、これまで２年おきに開催されてきたZIZとMoi dix Mois（MALICE MIZERのMana率いるバンド）の対バンライブが豊洲PITで行われる。しかも今年はMALICE MIZERの25周年を記念したアニバーサリーLIVEとしての2Days開催だ。５本の触手をまだまだ伸ばし、成長と変化をし続ける今後の彼らに注目だ。
【セットリスト】
01：RAYD5
02：電磁男達
03：ラミラミ
04：JEEZ
05：カオスモス
06：SO8
07：コスモスティール
08：デクライン
09：徴
10：瑪瑙ピエロ
11：シルクと鉄屑
12：エコーフォールズ
13：ダブ
14：SANITYMAN
15：BE POP HIGHSTYLE
16：ランドリィ
17：クリスピーキッス
18：ネイバリング
En1
19：E-I-O
20：ドープ
21：レルビ
22：SUPER NAKED DISKO
En2
23：スパーブソウ
ZIZ
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