アメリカ村DROP Kαin結成11周年記念ワンマンGIG「CARPE DiEM」2018年7月6日@アメリカ村 DROP
CARPE DiEM(カルペ・ディエム)とは「この瞬間を楽しめ」「今という時を大切に使え」という意味を持つラテン語だが、奇しくも今日という日を象徴する言葉になった。
西日本を中心に暴風雨が吹き荒れ、交通機関には大幅な遅れや運行休止が乱立するまさに”嵐”となった当日。東京方面からの新幹線が遅れて動かず、メンバーの到着も危ぶまれる中、なんとかオープンを少し遅らせることで決行された【Kαin結成11周年記念ワンマンGIG「CARPE DiEM」】。波乱の幕開けながら、イレギュラーをものともしない存在感で濃厚な公演となった一夜をレポートする。
激しく降り続く雨の中、会場にかけつけたオーディエンスは、ライブキッズというよりは大人の男女が多く、キャリアのあるバンドならではの落ち着いた光景だ。
オープニングSEと同時に会場の左右に設置された幕に幻想的で美しい映像が流れる中、メンバーが静かに姿を現し、YUKIYA(voice)が高らかに天を仰ぐと心地よい緊張感に包まれたステージがスタートした。
メロディを大切に扱い、悲しみや切なさを鮮やかに映し出す歌詞は古き良き90年代のヴィジュアル系黄金期を彷彿とさせ、ノスタルジックな魅力がありながら、キャリアを積んだバンドにしかなし得ない説得力と安定感も持ち合わせていて気持ちよく酔うことができる。
「Kαinですこんばんは。今日は本当に…まさかの大雨で新幹線に5時間閉じ込められて、何度も名古屋で降りようかと思ったけど(笑)今日誰もこないんじゃないかと思ってたし…本当に今日ここに来てくれたことに感謝します!!楽しい夜にできたらな、と。そんなこといいながら、みんなの知らない曲で始まって、次は知ってる曲でまたその次知らない曲なんですけど(笑)」
流れるようなMCに笑いを交えながら、続いて演奏されたのは「lost」。重厚感のあるミディアムバラードは会場を揺さぶり、オーディエンスは祈るように高く手を掲げていく。
YUKIYAは、その才能が最初にブレイクした時代にヴィジュアル系シーンに青春を捧げていた筆者としてはもはや存在がレジェンドであり絶対的なカリスマであることは承知していたのだが、Kαinの生の音に触れ、時代の波に流されることなく自らの感性を磨きあげて辿り着いた今の彼の音楽には貫くことの美学を感じる。
「もっといこうか!!」の煽りから繰り広げられた「葬」は、オーディエンスの美しいコーラスが印象的だ。
イントロで大歓声があがり、すぐさま全員が拳をふりあげた「Miles」のギターソロの美しさに聞き惚れ、「全力でこい!!」というYUKIYAの言葉に全力で応えた「証-akashi-」で盛り上がりは最高潮に達した。これだけのキャリアがありながら、1本のライブで己の全てを出し切り、振り絞るように全力で音楽を届ける様は凄まじい迫力で胸を打つ。
「もっとおれたちの音楽に寄り添ってくれ」とラストを飾ったのは「Closer」。バックライトに照らされたメンバーのシルエットが浮き彫りになる様が壮大な世界観を持つこの曲にふさわしく美しい。
そして、盛大なアンコールに応え「100年後も残る音楽をつくりたい、そんな思いで生きています」という言葉と共に最後に演奏された新曲は強いメッセージを持った力のある楽曲で、「俺たちの歌を愛してくれてありがとう!!」何度もそう繰り返し大きく手を広げたYUKIYAの姿に拍手と声援は鳴り止むことなく続いた。
セットリスト
01.新曲
02.新曲
03.Latency Sorrow
04.lost
05.新曲
06.聖痕-stiguma-
07.die 4 you
08.Inlamdempire#2
09.NUMBER SIXXX.
10.葬
11.Miles
12.証-akashi-
13.Closer
EN
14新曲
オフィシャルHP
アメリカ村DROP HP
記事
岡本恵里(おかもとえり)
◎V-ROCK&J-METAL CafeBar EVφL
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