バンド上達塾とは…
BASS ON TOPがお送りするプロミュージシャンによるワークショップ。
毎回さまざまなプロミュージシャンをお迎えしての開催!あなたの目で!耳で!存分に体感して下さい!
【佐藤 潤一】バンド上達塾:2016.2.20@ベースオントップ大阪梅田店 1st
毎回様々なプロのミュージシャンをお迎えして、その技術を体験的に学べるワークショップ『BASS ON TOP presetnts バンド上達塾』。
第8回目が2/20(土)ベースオントップ梅田店1stで行われました。
今回は特別講師に、GALNERYUSやMEPHISTOPHELESのドラマーとしてご活動されているほか、音楽学校MI JAPANでも講師として勤務されておられる、日本屈指の超絶ドラマー佐藤潤一氏をお迎えし、『超光速ドラミング』についてわかりやすくご教授頂きました。
今回のバンド上達塾は、光速ツーバスを中心とした講義という事で、佐藤潤一氏の超人的なペダルワークがしっかり見る事ができるように、ドラムセットは後ろ向けにセッティングされておりました。なかなか見る事のできない好アングルでの講義、楽しみです!
時間通りに開場した1stは、まもなく満席となりました。司会の始まりの挨拶のあと、呼び声とともに佐藤潤一氏が登場いたしました。
早速1曲、デモ演奏をご披露いただきましたが、演奏が始まるやいなや、その神業的なドラミングに、スタジオ内は唖然!その一挙手一投足に思わず釘付けとなるデモ演奏に驚嘆の拍手が沸き起こりました。
驚異的なデモ演奏の後、まずは機材についてお話しいただきました。
トリガーマイクの活用法や、珍しい打楽器、おすすめのスティックの紹介。丁寧に、時にユーモアを交えたお話に、スタジオ内はとても良い雰囲気となりました。
光速ツーバスのセッティングについて
ペダルのバネはMAXきつくする(spring max!)!椅子は高めにセッティングし前の方に座る(ちょこんと座る)!
バスドラの前足の長さ(バスドラの角度で踏みやすさが変わる)や、フロントヘッドの張り方(ビーターの跳ね返りが違う)
など、事細かに詳しくご説明いただきました。
また、ツインペダルの場合は、足を真っ直ぐにして踏めるようにセッティングする事や、ペダルの踏み方はなるべくかかとを下げて、速い曲を演奏する場合は、手前(遅い曲は足全体で踏める位置)を踏む事。
そして、スタートする足は、無心で踏んだ時にスタートする足ではじめるのがオススメ(練習がしやすいのは右、リズムがとりやすいのは左)とお教え頂きました。皆さんメモを取りながら真剣に聞き入っておられました。
光速ツーバスの練習方法について
ひたすら光速練習!!ずっと踏み続ける事!!叩き続ける事!!
まずは長時間叩けるスピードで叩く、そうする事で、力を抜いて叩く事を体が理解する(まずはテンポ90くらいから30分、知らない間に5~6時間たつくらいの力加減で叩く)。30分くらい叩くと軽くなるから、そこから少しずつテンポをあげていく。
そして次に、無理なテンポで叩くことが大事。一小節だけでもいいから叩く(体に危機感を与えると体が何か生み出してくる!)
すると、いつのまにかできるようになる。
無理なテンポで叩く事が大事・・・ここで、実演していただきました!!
まずは、なんなくこなせる170から・・※すでに速すぎて叩ける気がしません。。。
どんどんスピードを上げていきます。
210・・そして、先生の限界にチャレンジ!!230・・240!!
これぞ、まさしく超光速ドラミング!!前人未踏?のパフォーマンスにただただ圧倒されっぱなし!!
このとんでもないスピードを、楽しそうに演奏されている姿にも驚かされました!!
「日頃の訓練と、そのコツを編み出せば、年齢関係なくどんどん技術は向上する。」
たくさんの経験の中で導き出したプロだからこそ語れる理論を教えていただきました。
そして、デモ演奏2曲目 MEPHISTOPHELES「Into The Nightmare」!
またまた、高い演奏技術に満ち溢れた素晴らしいひとときを堪能いたしました。
ルーディメンツの重要性について
中でもパラディドルは、演奏表現の幅が飛躍的に伸びるので、ぜひ習得しておく事。
タイムキープの方法について
4分音符を忘れず、基本のリズムを忘れないように訓練する事。どんなリズムパターンが来てもそれを忘れない事(チェンジアップなどオススメ)。
ドラマーはテンポキープが絶対といわれるが、それを気にするがゆえに狂うことがある。
こういう場合は、バンドのメンバーでリズム感のある人の音をしっかり聞く事。聞く事は、テンポキープするのにとても重要。これは、会話と同じ。聞こえてるではなくて、しっかり聞く事。
熱心でわかりやすい説明にみなさん大きく頷いておられました。ためになるお話がたくさんありました。
そして、必殺技について。
エンディングでよくやるシンバルフィルについて
「実は…同じところをずっとたたいているだけ!全部の手が全部のシンバルを叩いているように魅せるのが難しい!!いかに魅せるか!!絶対盛り上がるからオススメです!!」
そのあと、今度は実際に全部の手で全部のシンバルを叩く秘技も披露。オーディエンスに喜んで頂けるように、見た目も意識する事をお教え頂きました。
他にも荒技から美技、派手なスティックパフォーマンスまで惜しみなく披露していただきました。
お待ちかねの質問コーナー
Q:バスドラの話ですが、跳ね返り重視でチューニングする時、音程が変わると思うのですが、どうされていますか?
佐藤 潤一:「いつもの聞いた感じの音にあわせる。体が覚えているので感覚で。」
Q:チャイナシンバルはどうやったら一番音がでますか?
佐藤 潤一:「チャイナシンバルに限らずシンバルは、なるべくスティックのちょっと膨らんでいる場所で叩く。力を抜いて叩く、そうすると音量が出て、その上うるさくない。」
Q:一番しんどい曲は?えげつない曲を持ってこられたときの気持ちは?
佐藤 潤一:「(一番しんどい曲について ) RAISE MY SWORD、その次の曲も速い…。ライブでは続けてやる……あの2曲が…大変…。 (えげつない曲を持ってこられたときの気持ちについて) 遠くを見つめる……。」
Q:変拍子の曲が多いですが、変拍子の曲対策は?曲調によって音量の差は?
佐藤 潤一:「音量を変えようと思っていないが、イメージを膨らませて叩いている。音量、音色も変わる。イメージをしてください。」
Q:練習におすすめの曲は?
佐藤 潤一:「METAL TRIGGER、間奏のバスドラのパターンが難しい。」
Q:プロフィールにサルバドールダリが好きと書いてありますが?
佐藤 潤一:「たまたま好きな絵が直感的に。」
Q:DESTINYのギターとユニゾンしているところが何回聞いても何をやっているのかわからない…。
佐藤 潤一:「今からやります!」
ということで、最後のデモ演奏、GALNERYUS「DESTINY」でクライマックス!盛大な拍手の中、本編終了!
超絶テクニックが適所に盛り込まれたハイレベルな演奏、そして豊富な知識とユーモアを織り交ぜた軽快なトーク。笑いあり、感動あり、未知との遭遇あり?の最高に素晴らしい講義でした!
佐藤潤一氏のバンド上達塾、講義全般を通じて、一流のプロミュージシャンは挑戦に次ぐ挑戦で常に前向きに自分を突き動かし、もたらす結果がどうであれ、自分自身が向上していく事を楽しむ。
だから、どんなに高い壁であっても迷う事なく登り続け、乗り越える事ができる。結果はただそれについてくるだけの事である。
一流になるには、まずこの強い精神力が必要不可欠であると強く感じました。
終了後はみんなで記念撮影、直筆サイン入りポスターが当たるお楽しみジャンケン大会、と和やかに終了いたしました!
バンド上達塾は、これからも、みなさんが音楽への情熱を燃やし続ける原動力となる、熱い企画をお届けいたします!乞うご期待ください!
デモ演奏セットリスト
1、佐藤潤一氏オリジナル楽曲
2、MEPHISTOPHELES「Into The Nightmare」
3、GALNERYUS「DESTINY」