ブルースと聞くと、どのような音楽をイメージしますか?ジャズに近いもの、アメリカで黒人によって生まれたもの…いろいろと思い浮かぶかもしれません。
今回はブルースについて、歴史など含めて、ご紹介します。
“ブルース”とは、アフリカ系アメリカ人によって生み出された哀愁を含む音楽です。
1865年の奴隷解放後に自由な時間を得たアフリカ系アメリカ人によるフィールドハラー(農作業などの労働時における掛け声のようなもの)や、ワーク・ソング(労働歌)などから生まれたジャンルです。どちらにしても自らに歌うようにして歌っているのが特徴です。
こちらの動画はフィールドハラーの例です。
また、リズムはシャッフルビートです。ジャズもブルースに似ていますが、異なる点としては、ギター以外の楽器も使う点とスウィングと呼ばれる4ビートが多い点といわれています。
カントリー・ブルース(19世紀後半〜1940)
アコースティックギターを用いて歌われるブルースです。
このカントリー・ブルースは3つの地域で特徴が異なります。
ミシシッピ・デルタ・ブルース
ミシシッピ川とヤズー川に挟まれたデルタ地域で生まれたブルース。
ミシシッピ・デルタ・ブルースを作り出した代表的なアーティストとしては、チャーリー・パットンがあげられます。彼はビンの口や鉄の棒を用いてスライド・ギター奏法を完成させたことでも知られています。
テキサス・ブルース
リズミカルでダイナミックなブルースです。
テキサス・ブルースを広めたことで有名なアーティストはブラインド・レモン・ジェファーソンがあげられます。
イーストコースト・ブルース
とても軽快なサウンドのブルースです。イーストコースト・ブルースは最も白人文化の影響を受けているといえるでしょう。
シティ・ブルース(1920~40)
都市部で展開され、カントリーブルースよりも白人音楽の影響を取り入れたブルース。
ピアノの伴奏があるのもポイントです。
シカゴ・ブルース(1950年〜)
主にアコースティック・ギターの弾き語りで演奏されたデルタ・ブルースに、エレキ・ギターを持ち込むことでバンド・スタイルへと発展させたものです。
シカゴ・ブルースの代表的なアーティストとしてはマディ・ウォーターズがあげられます。
アーバン・ブルース(1940〜50)
ジャズの影響を受けて都会的に洗練されたブルース。第1次世界大戦前後に、多くの黒人たちが北米に移住したことに伴って広まりました。
電気ギターを使用し、ベースやドラムを含むバンドの演奏に乗って叫ぶような声で歌うのが特徴です。
モダン・ブルース(1960〜80)
シティ、シカゴ、アーバンからの流れを組んだモダン・ブルース。現代のブルースの総称です。
3大キングと呼ばれるブルースの王様は、B.B.キング(米国を代表するブルースギタリスト 2015年5月14日没、享年89歳)、アルバート・キング(1992年12月21日没 享年69歳)、フレディ・キング(1976年12月28日没 享年42歳)です。
こちらの絵はB.B.キングと思われます。
日本のブルース
最後に、ひとつ、日本のバンドのブルース楽曲をあげます。
こちらはBEGINによって歌われたものです。
以上、ブルースについて、動画と同時にご紹介しました。
哀愁漂うブルースは、日本の音楽でもうまくアレンジされたうえでポップスに落とし込まれています。
ブルースに興味をお持ちいただければ幸いです。