【ライブレポート】MASAKI 4thソロアルバム“PIT-LOW2”レコ発ツアー 2019.3.23梅田Zeela

【ライブレポート】MASAKI 4thソロアルバム“PIT-LOW2”レコ発ツアー 2019.3.23梅田Zeela

春分の日もすぎ暦の上では春が訪れたはずの3月の土曜日、実際には冬に逆戻りしたかのような寒気に包まれた大阪だったが、その日梅田Zeelaでは非常に”アツい”ライブが行われた。

言わずと知れたスーパーベーシスト、MASAKI(CANTA、地獄カルテット、DAIDA LAIDA)が2018年秋に発売したデビュー25周年記念ソロアルバム「PIT-LOW2」(通称:ピロピロ)。
ソロアルバムとしては4枚目となる今作をひっさげた待望のレコ発ツアーがたっぷり2部制にて開催。京都からスタートしたツアーは本日で2日目、ギターにYUKI(Rayflower、DUSTAR-3)、キーボード都啓一(Rayflower)、そしてドラムはJOE(DAIDA LAIDA、DASEIN、ELLEGUNS)という超豪華メンバーに加え、大阪からは特別ゲストギタリストとしてyou(Janne Da Arc)が参加。ベースをセンターに据えたボーカルレススタイルで、ドラマティックな夜を繰り広げた。


17時、オンタイムでスタートしたステージの1曲目は「PIT-LOW2」から「METLOID」。超一流の”職人”達から弾き出される音の圧と目まぐるしく変わる展開に初っ端から息を呑む瞬間の連続だ。あくまでナチュラルなスタイルで演奏を始めた彼らだが、丁寧に作りこまれた音源よりも更に圧倒的な存在感でこちらの想像を軽く超える。まるで、タネのわからないマジックをみているような錯覚に陥ってしまう。

筆者は昨年4月、大阪アメリカ村に誕生したBEYONDのこけら落としとして行われた「MASAKIデビュー25周年ロード第2章〜東京&大阪スペシャル〜」以来2回目のレポートになるが、最初に見たときと同じかそれ以上の衝撃をもう一度受けることになった。

1曲目からオーディエンスの度胆を抜いた後、マイクを取ったMASAKIは演奏中の緊張感とはうってかわり和やかなMCとメンバー紹介で会場を沸かせる。「3日前に京都でスタートしたこのツアーですが、そっからずっと飲んでいるのでアルコールが溜まってきております(笑)」の第一声に会場は大爆笑。なによりも舞台上のメンバーが一番笑っている(※この日も朝まで交流を深めていたらしい)。「去年の11月にアルバムが出たにも関わらず、寒いのいやなので3月まで待ちました、雪を避けて…(笑)」本当なのか冗談なのかわからない軽妙なトークは続く。「何事にも楽しいメンバーでやっております。よろしくお願いします」

続く2曲目は「UNBREAKABLE」。へヴィなサウンドと美しいメロディの融合にうっとりする展開が続く。音源のレコーディングにも参加したという都とYUKIの圧巻の演奏も素晴らしかった。曲の後には”機械”と”人間”の出す音の違いについての講座(?)で都が同じフレーズを「機械っぽく」「人間っぽく」弾き比べるという貴重なサプライズも。

「酒とかいて絆と読みます」と豪語するMASAKIはじめ本日のメンバーは、本当に楽しそうに演奏してくれるので見ているこちらも純粋に楽しい。こんなにエンタテイメント性の高いインストライブなんて他のどこにもないのではないだろうか。

前作の名曲「Dirty Drop」や壮大なバラード曲を経て、本日からのスペシャルゲストとしてyouが登場。今作のレコーディングにも参加したということでレコーディング秘話を尋ねられると、「送られてきたデータが難しすぎる!!」と会場を笑わせた(他のメンバーも大きく頷いていた)。

youが「YUKIくんのことはずっと気になってたけど、実はMASAKIさんのイベントで初めて会った」というように、様々な作品やイベントでMASAKIは幅広いジャンルのアーティストと交流が深いことで有名だが、「僕のイベントで出会った人はだいたい僕の知らない間に仲良くなってバンド組んでる(笑)」というとおり、彼が縁で出会ったアーティストは数知れず、業界にとっても貴重な存在であることが伺える。

youを迎えツインギターにパワーアップして演奏されたのは「VERTIGO」。表情の違うそれぞれの個性的なギタープレイでひとつのメロディを分けあう展開が美しい。そしてそれぞれのソロパートを追加してバージョンアップした「IVY」「YAIBA」へと、コミカルなMCの間とは一線を画した、音の力を見せつけるようなライブは進む。
永遠のような一瞬のような時間が過ぎ、1部ラストは「暴れん坊将軍」。誰もが知っているおなじみのメロディーと雄々しきロックアレンジにオーディエンスは大盛り上がりで応えた。

インターバルを挟み第2部は19時からスタート。1部ではラフな衣装だったMASAKIは、2部では煌びやかなジャケットにネクタイのスーツスタイルで登場し、初っ端から超絶プレイが光る3枚目のアルバム曲「Zanzo Circus」を披露したと思えば、「衣装がつっぱって動けない!!足があがらない!!(笑)」と相変わらず笑いを忘れない。

「UNBREAKABLE」では、”数学的にはなしえない複雑なイントロ”と”メロディと怪奇な音の融合”が聞いたことのない化学反応を起こす。イントロの部分を繰り返し演奏してみて解説するなど、ロックキッズが身を乗り出して拝聴したくなるような話も出たが、そもそもここまで楽曲の難易度が高いと、真似をしてみることすら難しいだろうと思う…。

「PIT-LOW2」のラストに収録されている「LASTOPIA」は拡がりと情緒のあるベースラインとサビのまるで「救い」のような繊細な明るさが魅力的なバラードだ。テクニカルで目が回るような超絶プレイもここでしか見られない華やかさだが、どっしりとした音圧のバラードもさらに今日のアーティストたちの魅力を引き出している。

1部に引き続き、後半戦はyouを迎えて舞台は佳境へ。メロディアスな「IVY」、「ちょっとミュージシャンとして違うとこみせる」という振りででちょっとどころではない違いを見せつけた「YAIBA」「VERTIGO」。飄々としたMCから曲に入る直前のとてつもない緊張感とのギャップ、ほんの一瞬でグッと世界に引き寄せられる感じがクセになりそうだ。1部に続きそれぞれに設けられたソロパートも1部とはまた違うアレンジがなされていて、ナマモノの音の躍動をひしひしと感じることができる。次々と繰り出されるプレイを追っても追っても目が足りないオーディエンスは否応なく高揚状態に陥る。




音源としての「PIT-LOW2」の完成度と、生で触れる楽曲の魅力、どちらも捨てがたいが、こんなプレイできるの??と疑いたくなるようなレベルの高い楽曲を、それぞれ豊富なキャリアを積んだメンバーがまるでロックキッズのようなキラキラした目で楽しそうに演奏する貴重な瞬間を目撃できるのはここしかないのは確かだ。

「ラストはみなさんがご存知の曲で!!」と演奏されたのは「Mission Impossible」。あまりにも有名すぎるこの楽曲も、このメンバーの手にかかれば原曲の緊張感をそのままに、遊び心に溢れ、次になにが起こるかわからないスリリングでワクワクする音楽に変身する。こうして2部に渡ったライブは合計3時間の長丁場にもかかわらず、オーディエンスのテンションを上げっぱなしにして終了したのだった。

今ツアーは3月31日に東京/初台LIVE-BAR-The DOORSにてファイナルを迎えるが、MASAKIは休むことなく「CANTA2019年春ツアー」、さらに「DAIDA LAIDAツアー2019〜煉獄〜」と2019年も精力的に駆け抜けていく。ソロアーティストとしてもバンドミュージシャンとしても底しれない魅力を持ったMASAKIの活動から今年も目が離せない。

1部セットリスト

01.METLOID
02.UNBREAKABLE
03.Dirty Drop
04.LASTOPIA
05.VERTIGO
06.IVY
07.YAIBA
08.暴れん坊将軍

2部セットリスト

01.Zanzo Circus
02.METLOID
03.UNBREAKABLE
04.LASTOPIA
05.IVY
06.YAIBA
07.VERTIGO
08.Mission Impossible

NOW ON SALE

「PIT-LOW2」ARTIST MASAKI
デビュー25周年を記念した4枚目のソロアルバム。
4枚目にして初のボーカル曲も2曲収録!

収録曲

01.ENCOUNTER
02.METLOID
03.YAIBA
04.SAMIDALE
05.AMOUR
06.PDB
07.UNBREAKABLE
08.EVERYTHING
09.VERTIGO
10.IVY
11.LASTOPIA

<MASAKIオフィシャルHP>
http://www.masaking.com

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