【レポート】BASS ON TOPがお送りするプロミュージシャンによるワークショップ「バンド上達塾」【Sakura(櫻澤 泰徳)】

バンド上達塾とは…

BASS ON TOPがお送りするプロミュージシャンによるワークショップ。
毎回さまざまなプロミュージシャンをお迎えしての開催!あなたの目で!耳で!存分に体感して下さい!

【バンド上達塾】講師:Sakura (櫻澤 泰徳)
2019/4/21@BASS ON TOP大阪梅田店

ベースオントップの超人気企画「バンド上達塾」。現在音楽シーンの最前線で活躍されているプロミュージシャンを講師に招き、間近で演奏を披露して頂いたり、直接質問をしたりできる夢のワークショップです。

今回はBASS ON TOP大阪店で開催されたSakura氏のドラム塾、2部構成で行われた講演の2部をレポート!
ZIGZO,,Rayflower,THE MADCAP LAUGHS,gibkiy gibkiy gibkiy,など数々の著名なバンドでドラムを担当し、音楽ファンのみならずアーティストからも絶大な支持を受けるSakura氏が、自身のドラムセットを持ち込んでの講演となり、今回はさらにゲストミュージシャンを招き生セッションを披露するという、鳥肌ものの内容となりました。

第1部は「オリジナルのフレーズやパターンが増える」「楽曲に対してアプローチするコツがわかる」「すでにある楽曲のレベルも上がり、バンドとしてのレベルが上がる」をテーマに、”楽曲に対してのフレーズとリズムパターンの考察”そして”バンドアンサンブルとビートの考察”を中心とした内容で行われました。

1部の内容よりも少し上級者向けとなる、第2部は16:30よりスタート。
現役のミュージシャンの方も参加されていた今講演は「ダイナミクスをコントロールするコツがわかる」「変拍子を取り入れた楽曲を叩ける」「すでにある楽曲のレベルも上がり、バンドとしてのレベルが上がる」がテーマです。

ドラムセットをはじめ、ギター・ベース・キーボードが所狭しと配置されたスタジオはド迫力。こんなに間近でプロの楽器を見れる機会もなかなかにないので貴重な体験です。満員の会場は参加する方の年齢層も性別もバラバラで、皆さん真剣にドラムセットを見つめる様子が印象的でした。

大きな拍手に迎えられSakura氏が入場すると、続いて本日のゲストミュージシャン3名も入場。ベースは田浪真悟氏(Z’s)、キーボード荒井かずみ氏、そしてギターは夢時氏(eStrial/HOLLOWGRAM)と、Sakura氏が主催するドラムを主役にした人気イベント「BuskerNoir(バスカー・ノワール)」にも参加している凄腕のアーティスト達です。



スタートのイントロセッションは、打ち合わせなし、直前の「暗い感じ」というイメージのみで変幻自在に進行する即興音楽。一音一音に物語があるような、生ならではの迫力がビリビリと伝わります。
「本来アンサンブルとは、楽器間の会話。手練れ4人で楽器をつかって会話をしてみようと演奏したイントロです。ドラムを演奏する人間は、己が言葉で喋るよりも明確にドラムを演奏することで表現をするべき」というSakura氏の言葉どおり、その場にいてその音楽に触れることでしか伝わらない明確な世界が表現されている演奏でした。

大興奮のイントロを経て、講演は随時質問を受け付けながら、テーマの話を交えていくスタイルで進行していきます。
「gibkiy gibkiy gibkiyというバンドは、非常に変拍子を扱った楽曲が多いが、曲を作るときに拍子をどう扱われているか」という質問には、「メインで作曲をしているメンバーには”拍子”という概念があまりないので、出来上がってきたリフを分析して当てはめていく」という内容から、拍子の概念の話に。西洋の解釈である「2・3・4拍子」の基本、そしてそもそもその概念があてはまらない雅楽の譜面についてなど、楽器を突き詰めたプロだからこそ出来る貴重なお話やアドバイスなどを、ホワイトボードを使ったり、実際に音を鳴らして表現したりします。お話が興味深すぎて、参加者の皆さんがどんどん前のめりになっていく様子がわかります。

ドラムが上手になりたいのであれば、本来「ステップ」の音楽(ワルツやジャズ・マーチ等クラシック・ロック以外のジャンルの音楽)を聴き、練習することが大事だという実践に即したアドバイスも。

さらに「リズムの核」についての質問には、叩く時の自分の中のリズムをどこで取るかという少し高度なお話を実際にドラムを叩きながら説明したり、「でもこれといって決めつける必要はない」というSakuraという表現者ならではの解答も。
どの質問にも「これが答えで大丈夫かな?」と気を使いながら気さくに話してくれる和やかな雰囲気でとても楽しいです。

次の質問では、「他の楽器のもちあげ方をどうすればいいか」という話からテーマでもあるダイナミクスの話題へ。
「ストーリーを描いて、その景色を絵で書くのが絵描き。その景色を楽器で表現するのが音楽家であり演奏家」だというSakura氏の、AメロやBメロとサビのメリハリのつけ方や、ボーカルがサビを歌いやすくするための一瞬のため方などの工夫や、”負荷をかけない状態”を基本として、アクセントをどうつけていくか、「ff(フォルテッシモ)には限界があるが、pp(ピアニッシモ)は無限」というコントロールのつけ方まで、スティックの持ち方やストロークの仕方などスティックワークも含めて丁寧に解説頂きました。「身体能力を必要とするのはスポーツ、身体能力に依存することないのが音楽。必要なのはバリエーション」という言葉は、全国の夢を持つドラムキッズ達に向けて発信したいところです。

そしてラストは豪華デモ演奏です。「変拍子のえぐい曲」という”大江戸捜査網のテーマ”、そして”スパイ大作戦のテーマ”と、息を呑むような演奏を2曲も聴くことができました。会場はライブを見ているような興奮に包まれ、鳴りやまない大きな拍手の中、70分に渡る講演はあっという間に終了しました。


お話の内容や生演奏、すべてが魅力的でしたが、何よりもSakura氏をはじめ、ゲストミュージシャンの方々も、本当に楽器を、音楽を愛していることがひしひしと伝わる時間でした。参加者の方は、講演前よりも絶対にドラムが、音楽が好きになったはずだし、モチベーションも大幅に上がったはずです。もっともっと聴いていたい、そしてこんな風にドラムを叩きたい、音楽を表現してみたいと強く思えるような体験でした。

「バンド上達塾」はベースオントップが送る、「もっと音楽が好きになる」クリニックです。
今後の企画も盛りだくさんですので、ぜひホームページをチェックしてみてくださいね。

バンド上達塾URL

http://www.bassontop.co.jp/band-jyuku/

過去の上達塾

https://prbassontop.com/jyotatsujyuku

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