Sakuraインタビュー。「ドラムだけで音楽を!」という想いから始まったドラムイベント『Busker Noir 』

Rayflower、ZIGZO、THE MADCAP LAUGHS、gibkiy gibkiy gibkiy…など多数のバンドでドラマーとして活動を展開しているSakura(櫻澤泰徳)。そんなSakuraはドラムに焦点を当てた音楽イベントとして2015年から『Busker Noir』(バスカーノワール)を展開しており、5月には大阪公演を行なっており、8月31日には東京・大塚Deepaで公演を行うことが発表されています。出演者は大阪と同じく、Sakura、LEVIN(La’cryma Christi)とshuji(Janne Da Arc)の3人です。

今回東京でのBusker Noirイベントを控えたSakuraにインタビューを行いました。

ドラムはリズムキープのためだけの楽器ではない!という想いから始まったBusker Noir

ー『Busker Noir』のコンセプトをお聞かせ頂ければと思います。
Sakura:ドラムにスポットをというか打楽器そのもの。俺はドラマーだから、パーカッショニストじゃなくて。ドラムセットも楽器なので音楽的なその感性とスキルを持ち合わせてなければ演奏できるものではないし、「ドラムって8ビート叩けりゃなんとかなるじゃん」みたいにナメて見られてるなぁという風潮を俺はひねくれ者なんで勝手に感じてて(笑)

ーコンプレックスですね(笑)
Sakura:勝手にそう思ってるんだけど。『ロック=ギター』じゃないけど、「ドラムは8ビート叩いてりゃ良いんだよ」みたいな…。いやいやいや、そうゆうことじゃなくて、なぜドラムという楽器が必要なのかっていうのはやっぱり絶対音楽を成す上で今切っては切り離せない楽器でしょ。それをリズムキープのための楽器とかだけではなく、それだけで一つの音楽を成せるというのを随分前からやってみたかったというのがあって。

Sakura:元々俺自身の『ドラマーSakura』としての野心なんですよね。「俺それだけじゃないんだよ」っていう野心なんだよ。ドラマーってバンドの後ろでセコセコ叩いてイェーイってやってるだけじゃないんだよって。思われたくないっていうか。みんなそう思ってないかもしれないけど、俺が変な先入観持ってるだけかもしれないけど、みんなそう思ってるだろ!って(笑)

ー『Busker Noir』の意味は?
Sakura:そもそもすごい分かりやすい名前にしたかった。『Busker Noir』っていうイベント名を。その前の『Busker Noir』って名前が付く前はやたら長いイベント名だった。短くて分かりやすいのってないかなぁと思って。元々ドラムっていうのは大道芸みたいなものなんですよ。「一人でドラムマーチできたら良いな」っていうところがあるから。ドラムマーチで必須なのは合わせシンバル、大太鼓、のバスドラ、小太鼓のスネアドラム。100年前はこれを最低の人数でやると2人が限界だったの。でも面白いアメリカ人の「もしも1人でできるようになったら?」っていう発想で、バスドラを足で演奏できるようにペダルが作られて、足で合わせシンバルができるようにってハイハットの前身みたいなのができて、そこがドラムセットの始まり。発想が大道芸でしょ?元々ドラムキットっていうのはそういう原理で『Busker 』っていうのは『見世物』とか『大道芸人』っていう意味なんですよ。『Noir』っていうのは、フランス語で『黒』とか『罪人』って意味なんですよ。自分は黒いものを身なりとして、着る服とか身の回りのものを大概黒にするっていうのがあって、『Noir』って言葉がいいなと思って。ブラックじゃなくてね(笑)で、そういう名前が付きました。

2018年5月6日アメリカ村BEYOND 『Busker Noir』の様子

ー『Busker Noir』のドラム楽曲のレコーディングの予定は?
Sakura:レコーディングは実はこの前LEVIN、shujiに「2曲くらい録ってみないか?」って話を持ちかけてみたんですよ。この前#7を録ったんですけど、まだ2人は録っていなく、もしかしたらイベントの8月31日までに間に合わないかもしれない。

ーでもリリースする可能性は大いにある?
Sakura:『音源化はしたかった』っていう企みではあったんですよね。ドラム楽曲っていうのは俺の中ではドラムスソングって呼んでて、タイトルはナンバリングしてるんですよ#1から#7まで。音源化っていうのは1台のドラムで成り立たせるものではなく、複数台で成り立たせるものなんで、全部一人で叩き切っちゃうのではなく、「この曲に関してはこのドラマーとこのドラマーにお願いして…」とかって、いずれはそういう風に音源化したいなとはずっと前から思ってました。

Sakura、LEVIN、shuji、同世代だからやりやすい

ー今回のLEVINさん、shujiさん、Sakuraさんの3人はどんな感じですか?
Sakura:今まで出てくれた人達のことを悪くいうつもりはこれっぽっちもないんですけど、やっぱり同じ時代に近いシーンにいたもの同士で世代も近いっていうのもあって、やりやすいんですよね。俺から発信したものも2人の中ではなんとなく「こういうことでしょ?」って理解しやすいだろうし、俺も彼らにだったらこれだったら頼めるかなとか言いやすいかなって。具体的に何かって言われると説明できないんだけど。

2018年5月6日アメリカ村BEYOND 『Busker Noir』の様子

Sakura:影響受けたものとかも特にLEVINくん、shujiくんの中で色濃く残ってるのは樋口宗孝さん(LOUDNESS)。俺も全く樋口さんのことを知らない訳じゃないし、俺もドラムに憧れてたときに樋口さんは存命でリアルタイムでやってた世代だから、もちろん存命中に何度かお会いしたこともあるし。例えば樋口さんって例を出したかもしれないけど同世代だから影響を受けてる文化層が近いんですよね。見てる景色が近い。その上で今のLOUDNESSを知らないであろう子達に対してもLOUDNESSを押し付けることではなく、楽しませるっていう、ドラムマニアックに走ることなく勤めてくれるところとかもやりやすい。その2人以外はそうじゃないっていうことではないけど、一番デカイのは同世代であるってこと、似たような畑にいたってこと。個々は違うんだけどね、側から見れば同じ括りだと思うよ。

Sakura:ジャズの力武くんとかも面白かったけどね。出演者によって企画の内容も変えるからね。この人に出てもらうんだったら、これはこうした方が面白いだろうなっていうのは自分の中で勝手に妄想して企画は変えていってるんです。


Sakuraの今後の活動

ー『Busker Noir』以外のSakuraさんの活動について
Sakura:一番能動的に動いてるのはgibkiy gibkiy gibkiy、ZIGZO、Rayflowerの3つかな。gibkiy gibkiy gibkiyは11月に入ってから、初の全国ワンマンツアーで東京、名古屋、大阪、仙台、福岡、札幌。それと同時期にRayflowerも10月からツアーで(笑)20本?21本?来年の1月5日まで続くツアーで。それと同時期にまたZIGZOの東京、名古屋、大阪もあって(笑)

ーお忙しそうですね。

Sakura:『Busker Noir』はバンド活動の中でも並行してるから、優先するのはバンドだけど、自分のやりたいことの1つであるから、形は違えどドラム楽曲やるってことは、バンドで曲書くのと変わらないし、自分で良いと思ったバンドで胸張ってライブやるのと変わらんから。

Sakura(櫻澤泰徳)

Twitter:@sakurazawa
HP:http://sakurazawayasunori.jp/

インタビュー2へ:Sakuraインタビュー:ドラムの音階やチューニング、演奏者によって生まれる雰囲気の違いなどなど
大阪公演の様子:ドラマーにスポットライトを当てたイベント【Busker Noir】大阪初開催

最新情報をチェックしよう!