観客約5000人が集うバンド主催のDIYフェス 大阪堺発『SAKAI MEETING 2017』レポート

大阪堺発のビッグフェス、THE CHINA WIFE MOTORSGOOD4NOTHINGが主催する大型イベント”SAKAI MEETING 2017”、5回目を迎えた今回も、たくさんの笑顔が溢れる素晴らしい内容で、大盛況のうちに幕を閉じました。BASS ON TOPは今年も音響照明、協賛企業として参加しました。

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今年も会場は広大な芝生が気持ちいい海とのふれあい広場、そして、今年も素晴らしい晴天に恵まれ、絶好のフェス日和で開催されました。

開演前にも関わらず、多くのオーディエンスが会場を埋め尽くす中、ステージには主催のGOOD4NOTHING(以下、G4N)とTHE→CHINA WIFE MOTORS(以下、TCWM)の面々が立ち並び、『ようこそ堺へー!』と叫んだ。途端に笑い出すオーディエンス達に『なにもおかしくありませんよー!』とツッコミ、早速笑いが生まれた。

オープニングセレモニーと称しつつ、本イベントのゴミ拾いや分別をボランティアで行っている、”大阪府立大学 環境部エコロ助”とともに注意事項をしっかりとオーディエンスに伝えた。彼らのこういった真摯な姿勢が、SAKAI MEETINGのオーディエンスのマナーの良さへと繋がっているのだろう。

主催メンバーから『日本一ロックな市長?!』というコールとともに、ステージに竹山市長も登場し、オーディエンスも総立ちで、堺市民なら誰もが知っていると噂の”堺っこ体操”を踊って、アットホームな雰囲気を高めたところで、主催者達は地元への愛とフェスを開催するにあたっての決意を込め、『SAKAI MEETINGを開催しまーす!!』という開催宣言を高らかに叫ぶ。それに応えてオーディエンスからは歓声があがり、各ステージからは、今日という日に向けてエネルギーを溜め込んできたバンドマン達が掻き鳴らす音が聴こえ始めた。

俺が!俺たちが!盛り上げてみせるんだ!

という意気込みで、熱いステージングと演奏が、休む間も無しに次々とプレイされ、会場のグルーヴはどんどんと高まっていく。

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会場に設置されたステージは全部で4つ、メインステージは隣だって立つ堺STAGEと仁徳STAGE、サブステージは向かい合って立つ利休STAGEと鉄砲STAGE。オーディエンスがすぐに移動できて、次のステージを楽しめるように、導線もしっかりと配慮されており、子供も安心して楽しめる事ができ、親子で楽しんでいる姿も多く見られた。

他にもDJブースやスケートランプが設置してあり、ライブだけでなくスケーター逹のCOOLな滑りも観ることができた。

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出店ブースには、堺市から飲食店や自転車屋、ライブキッズ御用達のアパレルショップがあり、一通り歩くだけで、堺市のグルメやカルチャーも堪能できるようになっていたり、会場の至る所に堺市に在る中百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録をめざす旗が飾ってあったりと、堺愛を感じるユニークな計らい満載のフェス会場となっていた。

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太陽がちょうど真上にあがり、容赦なくキッズたちを照らすお昼過ぎ、堺STAGEに登場したのは、堺をホームとして活動してきたBUZZ THE BEARS。中盤、G4NとTCWMに捧げますという言葉ではじまった「あなたへ」で、両バンドへのありたっけの感謝の気持ちをエモーショナルに歌い上げた彼らに、オーディエンスから歓声が上がる。堺で育ち、堺を愛する彼ら、オーディエンスは高く拳をあげて、声を合わせて歌い、フロアには自発的なシンガロングが巻き起こった。

続いて隣の仁徳STAGEでは、メロディック・パンク界の重鎮、Hawaiian6が登場。『楽しいお昼間にしましょうか!』という言葉で始まったのは、彼らのアンセムソング、「MAGIC」。歌い出しから、オーディエンスのテンションは一気にぶち上がり、モッシュ・クラウドサーフィンが巻き起こり、止まることなくダイブするキッズ達。その後も一息つく間もなく次々と楽曲が繰り出され、『狂った大人たちの祭典へようこそ!』という言葉で更にボルテージを上げる。

何度も何度もダイブしては、走ってステージ下から戻ってくる彼らの顔は笑顔。笑顔。笑顔。誰もが飛び跳ね、身体を揺らし、満面の笑みでガッツポーズしながら、再びオーディエンスの渦へと身体を突っ込んでいく。その光景からは、楽しくて、楽しくて、たまらない!!という感情が溢れ出していた。

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鉄砲STAGEでは横浜から来たNUBOが軽快なサウンドでオーディエンスを魅了していた。

『やっと出れたよーー!!サカイミーテイング出れてほんとによかった!』

満面の笑みでそう叫ぶ彼ら、

『このイベントを俺とお前たちで盛り上げるんだ!!』『サカイミーテイングへ拳をあげろー!!』

とオーディエンスを煽る。拳を挙げたキッズ達はステージへ向かって転がりダイブし続け、飛び跳ね踊りまくる。

『G4NとTCWMが手を繋いでつくってきたSAKAI MEETINGで、後は俺らとお前ら全員で手を繋ぎてぇんだ!最後の1曲大きく繋がった輪を、G4NとTCWMと、SAKAI MEETINGに見せたいんだ!!』

という言葉に導かれ、ステージの前には巨大な1つのサークルが作り上げられ、奏でられた「Circle」。キャッチーなサビのメロディラインに合わせてキッズは肩を組みあいながら、踊り、飛び跳ね、飛びっきりの笑顔でシンガロング。青い空の下、皆が肩を組み笑い合う。そのハピネスなグルーヴにその場にいる誰もが感極まり、自然と何度も何度も拍手と歓声が巻き起こっていた。

そんな中、仁徳STAGEでは10-FEETがスタート。ステージ前にはオーディエンスが溢れかえっていた。

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『お前達の悲しみはお前達にしかわからんし、俺の悲しみは俺にしかわからん。お前達の日々の悩みなんて知ったこっちゃないけど、俺はお前達と俺たちのそのお互い知らん部分をこの短い時間で、音楽を通して埋めあいたい!まとめてかかってこーい!!』

と熱い想いをぶちまける。そんな想いを受けて肩車されたキッズ達がステージ前へと続々と集まる。そしてキラーチューン「その向こうへ」のサビの盛り上がりとともに、ダイバー達がステージへ飛び乗りそうな勢いで一斉にダイブする。その光景に、後方のオーディエンスから歓声が上がった。

『わかり合いに来たぞー!!』

何度も何度もオーディエンスにそう呼びかける彼らの言葉と、眩しいほどまっすぐにぶつかってくる彼らのサウンドに、日頃皆が抱えている悩みや不安は解消されたかのように、キッズ達の笑顔は晴れやかで清々しい。

『繋げるぞーー!!みんなで繋げるぞーーー!!サカイミーテイングー!!!いけーー!いけーーー!!』

後に出番を控えるG4NとTCWMに最高のバトンを繋ぐために声が枯れるほどに力を振り絞る彼らに応える為に、キッズ達もまた全力で飛び、叫び、歌い、ステップを踏み続ける。

両者のその姿からは、SAKAI MEETINGというイベントを皆で楽しみたい、盛り上げたい、守っていきたいという想いがひしひしと伝わってくる。

その後も、彼らのバトンを受け取ったバンド達がベストアクトを披露し、次へ次へとバトンを繋いでいく。

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日は段々と沈んでいき、会場は柔らかいオレンジの光に包まれていった。

そんなロマンティックなサンセットタイムに堺STAGEに登場したのは、大阪を代表するメロコアバンド、locofrank

彼らのアンセムソング「START」が流れ出すと、オーディエンスのテンションは最高潮に達し、夕焼けに照らされたステージにはグッドメロディとシンガロングが響き渡る。

『俺らもええ年なって、TCWMもG4Nも、俺らよりも年上やけど、年関係なくやりたいことをやってる、やりたい場所でやりたいことをやってる。ほんで、お前らとの約束を守って来年もやってくれる。年を取ったら笑うことも少なくなってくる、でも笑うことに躊躇するなよ!!隣の奴が羨ましくなるくらい笑ってみせろ!!!』

そんな彼らの言葉に背中を押され、オーディエンスは顔を見合わせ笑い合う。

SAKAI MEETINGには様々な年代の人々が集っているが、今日は、今日だけは、誰もが音楽を愛するロックキッズであり、年齢も、立場も、性別も関係なく、ただただありのままの自分でロックに身を投じることができる、そんな特別な日なのだ。

『また来年会えたらいいなー!!G4NとTCWMに送ります、そしてここにいるお前ら幸せになってくれーー!!』

という言葉とともに始まった最後の曲は『HAPPY』。夕焼けに照らされながら、彼らの歌を一音も聴き漏らさまいとステージを見つめるキッズの心にエバーグリーンな感情を宿した。

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いよいよ大詰め、まずは仁徳ステージのトリを飾るのはTHE→CHINA WIFE MOTORS。

終始赤いライトに照らされて、黒い服に身を包み、初っ端からアグレッシブなパフォーマンスでオーディエンスを魅了していく。

『僕ら日本語ロックバンド、世知辛い世の中やけど、仲間がいるから大丈夫。みんなでサカイミーテイング守っていこう!!!』

という彼らの言葉とソウルフルなサウンドにキッズ達の熱気もどんどん高まっていく。

『G4Nと出会って、10年が経ちました。そっから俺らも仲間が増え、ジャンルという壁を超えて、命を燃やしてるやつはロックやなと思わせてくれたのはG4Nのおかげでした。』

と語った彼らは、G4Nと仲良くなるきっかけになったというCDの中の一曲、「10YEARS」のカバーを、ロックと、そして仲間達と歩んだ月日の想いを込めて、傍らで見守る盟友達に捧げた。

『堺のバンドでSAKAI MEETINGを一緒にやろうってゆったときに迷ってる自分がいました。自分たちがどうゆうジャンルの音楽やってるか自分がよくわかってるつもりです。でも16年前に3人で鳴らした音、歌った歌がこれやったからって、そう思ってずっとこれでやってきたら、どんどんロックンローラーなダチが増えて、また、今日お前らみたいなロックンローラーに会えたことを誇りに思います。』

ただ、ひたすらに、自分たちの音楽だけを信じて貫き通してきた彼らが歌う「ANSWER」の重みは、聴き入るオーディエンスの心にずしりと響き、彼らのロック魂に火を灯す。

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そして、その灯した火を限界まで燃やしたのは、彼らの最後のパフォーマンスである。

『俺らの兄弟が最後きっちり決めてくれるんでよろしくな。G4Nが天国に変えてくれると信じて地獄のバトンを渡します。俺らのイカれてるPA!音質どうでもええから、フェーダーそのまま最大にあげろや!!!』

その想いに応えたTCWMのPAは、オーディエンスの身体が音で波打ち、鼓膜が破れるほどの大大大音量で彼らの爆音を撒き散らし、音量があがっていくとともにオーディエンスのボルテージも比例して上昇していく。

大音量で響くソリッドなベースラインとドラムのリズムに身体を内側から叩かれるような感覚に陥り、もうオーディエンスのテンションは留まることを知らず、KAJITA(Vo&Gt)もギターを投げ捨てて、ヘッドウォーキングでステージから客席へ飛び出し、客席はもうカオス状態に。そこにはただ音と興奮しかなかった。誰もが、これこそがロックだと感じる瞬間だった。彼らがステージを去っても、『最高だ、最高だ』とゆうキッズ達の声が会場に飛び交っていた。

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地獄のバトンを受け取り、堺STAGEで大トリを飾るのはGOOD4NOTHING。彼らが作った屋根のないライブハウスに集うキッズ達に『ライブハウスへようこそー!』と叫び、次々とキラーチューンを繰り出していく。堺STAGEのステージ前では、ダイバーが飛び交い、モッシュやサークルを起こして音楽を楽しむキッズがいる一方で、少しスペースに余裕がある隣の仁徳STAGEのステージ前には、まだ10代半ばであろう中高生達が思い思いのスタイルで踊り、小学生や、まだ幼い子供達はお父さんやお母さんと一緒に楽しそうに笑顔で飛び跳ねる。そんな多幸感溢れる光景が広がっていた。彼らも、恐らく堺に住む子供達だろう。これも地元を愛し、地元に愛されている、その相思相愛の力で成り立っているSAKAI MEETINGでしか作り得ない光景だ。

『周りの仲間が、俺たちの財産で、1人では無理かもって思うことも、死ぬ気で頑張れば、仲間は共感してくれて、自分達をこういう景色に連れてきてくれた。不可能を可能に変える、そんな何かを掴んで帰ってほしい。』

と語る彼ら。そしてステージの周りに集まりG4Nを見守る仲間を見渡し、

『この仲間たちみてください!俺たちは愛に包まれてまーす!例え、俺らやTCWMがいなくなってもSAKAI MEETINGは残していきます。今回も堺の若いバンドマン達が30人くらい仕込みから手伝ってくれてる。彼らに託せるまで俺等はここを降りずにきばらんとあかんと思ってます!』

このイベントを作り上げてきた盟友達とともに、次の世代へバトンを繋げていくことを誓い、ラストに歌ったのは「One day I Just」。リズミカルなビートに合わせオーディエンスは嬉々として飛び跳ね、拳を突き上げる。

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彼らが一度ステージを去ったあとも、間髪入れずにアンコールが起こり、再びステージに戻ってきた彼らは、

『またこうゆう景色みれるように俺らとTCWMと仲間と1年間頑張ろうと思いますんで、来年もまたこのおっきいライブハウスに遊びにきてください。』

と、また来年も、この場所で会うことをオーディエンスに約束し、最後に放ったのは「In The Mosh Pit」。彼らが放つポジティブなエネルギーがオーディエンスに降り注ぎ、今日という日が終わってしまうことに悔いが残らないようにと、キッズ達は残っているパワーを全て使い、飛び跳ね、歌い、肩を組み、笑い合う。それは今日1日共に過ごしてきたロックンローラー達の心が1つに重なる瞬間であった。

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最高のアクトが終わり、再びG4NとTCWMの面々がステージに揃い、エンディングセレモニーを終え、最後は皆で声を揃えて締めの一言『サカイミーティングー!』を叫んで、本イベントは最高に明るいフィニッシュを迎えた。

真っ白なTシャツを来て炎天下のなかゴミを拾い続けてくれるボランティアの学生達、1日中笑顔で商品を提供し続けてくれる出店のスタッフの方達、顔を真っ赤にしてダイバーを受け止め続けてくれるセキュリテイーの人達、汗を流しながらイベントを支えるスタッフ達と、このイベントに一花咲かせようと全力でアクトする出演者達。

みんな、ロックに人生を賭けた熱い漢達が大好きで、地元・堺への熱い想いで作り上げているこのイベントが大好きだから、全力で頑張る。誰が出るからとかそういうものは関係なく、SAKAI MEETINGは全力で頑張る人たちが絆と絆で作り上げているものだから、イベントとして最高に楽しくて、感動的で、魅力的なのだ。筆者も完全に街とイベントの虜となった。今日のイベントには若いロックキッズの姿も多く見かけたが、彼らが、皆の想いを背負いSAKAI MEETINGステージに立つバンドマン達に憧れて、バンドを組み、またG4NやTCWMのように、堺をホームと呼ぶバンドマンが生まれる。そして、G4N達が言っていた通り、そのバンドがまたこのイベントを引き継ぎ守っていく。そんな素敵な未来を確かなものと確信できるほど、人と人との繋がりを実感するイベントだった。

記事:もなみん

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