最強リズムコンビ!IKUO & Sakuraリズムセクション!【バンド上達塾レポート】

バンド上達塾とは…

BASS ON TOPがお送りするプロミュージシャンによるワークショップ。
毎回さまざまなプロミュージシャンをお迎えしての開催!あなたの目で!耳で!存分に体感して下さい!

【バンド上達塾】講師:IKUO&Sakura
2019/5/25@BASS ON TOP東心斎橋店

BASS ON TOPがお送りするプロミュージシャンによるスペシャルワークショップ「バンド上達塾」。毎回大好評の今企画ですが、今回は特別の中の特別!!なんと、大人気ロックバンド「Rayflower」のIKUO氏とSakura氏による最強リズム隊セミナーが開催されました。
ベースとドラムのセッションという今までにない内容のセミナーで会場は大興奮!!ライブさながらのデモ演奏を含めた2部にわたる貴重な1日を完全レポートしてきました。

Rayflowerの他にもIKUO氏は、BULL ZEICHEN 88のベーシストとして、またT.M.Revolution、TETSUYAなどのサポ−トをはじめ、Acid Black Cherry、Gackt、ももいろクローバーZなど著名アーティストにも携わる超絶テクニック職人ベーシスト。
Sakura氏はgibkiy gibkiy gibkiy、ZIGZO、THE MADCAP LAUGHSなど数々のバンドで活躍し、卓越したテクニックとシャープなグルーヴで音楽ファンはもちろんアーティストからも絶大な支持を受けるドラマーであることは言うまでもありません。

そんなお二人はクリニックの前日、大阪味園ユニバースでRayflowerのライブを行い、その時に使ったセットをそのままBASS ON TOPのスタジオに持ち込んで頂いての開催となりました。



貴重な機会というだけあって会場はもちろん満員。きっと前日の大阪のライブで演奏に酔いしれた方も多かったでしょう。
大きな拍手に迎えられて登場したお二人の醸し出す存在感と圧力に緊張感が漂うかと思われた会場は、「Rayflowerってバンド知ってます?ドラムのSakuraです(笑)」「ベースのIKUOです(笑)」という自己紹介で一気に和やかな雰囲気に包まれました。

「何も決めずにやってみた」というデモ演奏でセミナーはスタート。普段見れることのない距離で繰り出されるセッションプレイはナチュラルなのに圧巻の迫力で、筆者自身は”こんなに近くで見れているのにベースの指の動きやドラムの手数が多すぎて追い切れない…”と驚きと感動でドキドキしておりました。

BASS ON TOPのドラムセミナーの講師としても活躍しているSakura氏と各所でベース講師としても多数実績のあるIKUO氏ですが、お二人揃ってのセミナーは初とのこと。

「最近ベースを弾く人って、バンド組まないでやってる人多いんですよね。動画にあげたりとか。めちゃくちゃ上手いのにバンド経験ない人もいっぱいいる。勿論どんな形でもいいんだけど、せっかくなのでぜひ、生ドラムと演奏するベースの楽しさを知ってほしいとも思います。」とIKUO氏。

機械と合わせる演奏だとどうしてもクリック通りの演奏になってしまうというSakura氏。Rayflowerのライブでの演奏は全てクリックを使用しているそうですが、「クリックに合った演奏が必ずしも良いわけではない」と。基準に向かって少しづつ合わない部分が人間にしかないグルーヴになる。クリックは曲を完成させるためのガイドでしかなく、気持ちでコントロールしていくのが大事だという、バンドで演奏するからこその面白さも教えて下さいました。

そこから、ライブなどではなかなか見ることのできないベースの足元の機材等を見せながら、アンプシステム(IKUO氏が使用されているのはMARKBASS)やスピーカーの使い分け方によるベースのライブ中の演奏の音の成立ちのお話や、エフェクターの種類のお話に。エフェクターには大きく分けて”原音を加工する”ダイナミック系と”エコーをブレンドして音作りをする”空間系がありますが、「同じようなものばかり買ってしまう(笑)」というIKUO氏はダイナミック系エフェクターを好んで使用されるようです。歪んでいるのにタイトな演奏、輪郭のはっきりした音を意識して、1音色を探すのに何年もかかると。そして現在進行形でまだ模索しているそうです。

どのエフェクターも良い所が絶対にあるし新しいものがどんどん出ているので自分に合ったものを探すのはとても楽しい作業だと、バンドキッズのように目を輝かせて話す様子が新鮮でした。

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会場にはIKUO氏のESPシグネチャーモデルベースや、Sakura氏のPearlスネアドラムも展示されており、それぞれの楽器についての解説もして頂きました。Sakura氏が行っているドラムのマンツーマンレッスンでもSakura氏のシグネチャーモデルの楽器を使っている生徒さんが勿論少なくないそうで、そのことも踏まえた上で、「アーティストモデルの楽器は、ベースやドラムを始めるきっかけになるものだから下手なものを作れない。自分たちに憧れて始めてもらうという責任を感じて作っています」というSakura氏の言葉は非常に頼もしく、お二人に憧れて楽器を始めたバンドキッズにも大きく励みになることでしょう。

Sakura氏によるドラムセットの歴史についての興味深いお話を経て、Rayflowerの楽曲「U-TOPIA」のデモ演奏へ。ダイナミックで情熱的、そして繊細なお二人のプレイは大迫力で会場が割れそうです。超絶プレイを駆使した演奏でしたが(Rayflowerの楽曲はほとんどがそうですが)「ライブでは脈が上がるから同じテンポでも曲が遅く感じる。今は冷静だからいつもよりちょっと早く感じた」とIKUO氏。ライブ中は物凄く速いプレイをしながらも、まわりがスローモーションになる瞬間があるそうです(!!)。

続いて参加者さんからの質問コーナーでは、曲作りのお話になりました。Sakura氏曰く「Rayflowerっていうバンドの秘密の調味料を教えちゃった(笑)」内容なので詳細は内緒ですが、作曲するメンバーによって曲の基本的な構成になる”イントロ””Aメロ””Bメロ””サビ”などで各々仕掛けを作るところが異なり、それがバンドの多様性や個性にもなるという興味深いお話でした。

1部のラストデモ演奏は、IKUO氏曰く”スラップばりばり”の曲「サバイヴノススメ」。お互いの動きや音を捉えながら所々目を合わせて意思疎通を図るなど、ライブさながらのエモーショナルなプレイでラストを飾って下さいました。

大盛況の1部を経て、2部は17:00からスタート。1部とパターンを変えたデモ演奏の後は、「さっきIKUOさんのベースの足元ばっかり紹介したらPearlさんからSakuraさん自分のやつも紹介して下さいよ!!って言われて(笑)」とSakura氏。ツーバス奏法を取り入れるにつれ、昔に比べてドラムセットの椅子を低くセッティングしているというお話や、通常のものと比べてハイハットの位置が少し遠くにあることに特徴があるSakura氏のドラムセットについて。それはSakura氏が主催している「ドラムだけで構成されるイベント」で、ドラムのみで演奏される曲のために構成されたもので、ビートよりもメロディを優先するためのセッティングだということです。

そして1部に引き続きIKUO氏のエフェクターとミッドレンジの音の大切さについての講座が行われているときに、Sakura氏からIKUO氏への質問が。「IKUOさんは特に、指弾きとスラップ奏法の音のバランスがいいけれど、何か工夫しているの?」通常、ピック弾き・指弾き・スラップ奏法(IKUO氏は指とスラップでプレイされます)は、全てかける力が違うので音のバランスが違うことが多いのですが、IKUO氏はバランスが非常に良いそうです。その質問にIKUO氏は「セッティングと弾き方が大事!!」との解答。わずか0.2mmで違いに気づくという弦高のバランスや弦に指が入りすぎないようにする工夫など、もちろん音色をコントロールする技術力があればこそのお話ですが、ベーシスト必聴のアドバイスを下さいました。

参加者さんからの質問コーナーでは、「バンドをするにあたってリズム隊のアンサンブルが埋もれないようにするコツを教えて欲しい」という内容でした。お二人曰く、「RayflowerではどちらかというとIKUOさんが主張多め、Sakuraさんがどっしり構えるキャッチャーの役目をしていることが多い」とのこと。メンバー全員でジャムって作った曲(Prisoner of evolution)は、曲を完成させてから少しお互いの音が噛み合うように修正したりしたとのことです。
しかし、印象的だったのは「ただ、合わせてしまうだけではつまらない」というSakura氏の言葉でした。

”メロディ””ハーモニー””リズム”の音楽の3大要素の中で、一番変化をつけられるのはリズムだといいます。実際に同じ曲をディスコっぽいアプローチで奏でたり、8ビート→サンバ風→4ビートと、アプローチを次々と変えて演奏し、「リズムパターンには曲の印象を大きく変える破壊力と影響力がある」ことを体現して下さいました。さらに、「IKUOさんによくいるベーシストのような弾き方をしてもらいます(笑)」という試みも。(ちなみに、めちゃくちゃ上手に弾く普通のベーシストとして演奏して下さいました)それを経て、「決してこのベースも悪くないんです。でも、無難であるということは没個性だよね」と、次は”普段のIKUOさんの演奏”を披露。「この主張のある演奏でないとRayflowerではない。IKUOさんがベースを弾いていないとRayflowerではないという確固たるもの、これが個性です」と満足そうにおっしゃったのが印象的でした。

ラストのデモ演奏は「SOCIAL NETWORK GENERATION」。物凄く複雑に構成された音の運びを美しいユニゾンで奏でられると、とんでもない迫力で会場が揺れているような気がします。常人にはなかなか真似のできそうにないプレイの連続で、参加者さんたちの息を呑む音が聞こえそうでした…。


大興奮の中終了した今回のリズム隊セミナー。各70分の構成とは思えないほど濃密な時間でした。参加した方にしか教えられない、バンドの秘話や音作りの秘密もたくさん飛び出てきました。楽器を演奏したり、いろんな音楽を聴くときに思い出したいプロならではのアドバイスがいっぱい詰まった夢のような時間を過ごすことができました。

「バンド上達塾」はベースオントップが送る、「もっと音楽が好きになる」クリニックです。
今後の企画も盛りだくさんですので、ぜひホームページをチェックしてみてくださいね。

バンド上達塾URL

http://www.bassontop.co.jp/band-jyuku/

過去の上達塾

https://prbassontop.com/jyotatsujyuku

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